Column
院長コラム
肩こりって何だろう?
2024年01月30日
皆様こんにちは。2024年が始まり1ヶ月が経ちます。
今年は特別に辛い新年の幕開けとなりました。能登半島地震で今もたくさんの方が不自由な暮らしを強いられております。被災者の方々には心よりお見舞いを申し上げます。被災された方々の生活が少しずつでも前に進んでいくことを心より祈っております。
さて、今回からの院長コラム、「肩こり」に焦点を当ててみようと思います。
「肩こり」は「腰痛」と並んで、毎年厚生労働省の国民生活基礎調査で有訴率のトップ2を占めています。
ところで、「肩こり」とは、いったい体のどのあたりのどのような痛みを指すのでしょうか。皆様の「肩こり」は同じものなのでしょうか?
日本整形外科学会のHPにある「肩こり」の定義は、
「首から肩、背中にかけて筋肉がこわばり、こりや痛みを引き起こす症状のこと」とされています。
けっこう、アバウトな、広範囲な痛みであることが分かります。皆様の「肩こり」もそれぞれ場所が異なり、原因も異なることが容易に想像できます。
以前、院長コラムに痛みの3要素を記させて頂きました。
おさらいすると、痛みには
・侵害受容性疼痛(組織が受けた刺激や炎症が引き起こす痛み)
・神経障害性疼痛(神経が壊れたり機能が障害されて引き起こされた痛み)
・痛覚変調性疼痛(心理的抑圧や脳の変調によって引き起こされた痛み)
があり、これらが単独または複合して痛みを形成します。
肩こりに当てはめると、
・肩や脊椎を構成する筋肉組織や関節が障害された痛み
・肩に分布する末梢神経や脊椎を通る脊髄や神経根が障害された痛み
・心理的、社会的背景から増幅された痛み
があり、言葉で「肩こり」とくくることは簡単かもしれませんが、診療する側からは単純なモデルで考えることが難しい(診断や治療が難しい)痛みです。
当院では、肩こりの原因を痛みのモデルに当てはめながら、「関節」なのか「筋肉」なのか「神経」なのか、また、「脊椎」なのか「肩関節」なのか、等、画像だけでなく徒手検査や理学所見(診察)を重視しながらアプローチするように心がけております。理学療法によるアプローチも随時行っておりますので、お気軽にご相談ください。
今日は、肩こりのプロローグをお話ししました。
次回から、実際のアプローチや日々の迷い(おいおい、迷うなよ、と思われるのももっともですが、とても難しいのです・・・)をお話ししていこうと思います。お楽しみに!