Medical
診療のご案内

骨粗しょう症

Osteoporosis
骨粗しょう症

骨粗しょう症は、いろいろな原因で骨が脆弱となり、
骨折の危険性が増える疾患です。
骨粗しょう症の原因は様々ですが、
なんらかの骨の形成に悪影響を与える内科の疾患や関節リウマチ、
お薬の副作用などで生じる続発性骨粗しょう症と、
特にご病気がなくても生じる(年齢からくるものが多いです)
原発性骨粗しょう症に分けられます。
当然、年齢が高くなるにつれ、骨粗しょう症の方の割合は増加します。

骨粗しょう症による骨折

加齢に伴って発症頻度が増加する骨粗しょう症の方は、そうでない方に比べ、筋力や体力が低下していることがあり、転倒する危険性が高まっています。
さらに骨が弱いため、転倒の際に容易に骨折します。
骨粗しょう症に伴う骨折でよく遭遇するものは、脊椎では胸椎・腰椎の椎体骨折や頚椎の第2頚椎歯突起骨折、股関節では大腿骨頚部骨折、手関節では橈骨遠位端骨折、肩関節では上腕骨近位部骨折があげられます。

「骨折」はケガだから仕方ないか…。またそのうちくっつくだろう。
こういうのは、間違いです。
なぜなら、脊椎の椎体骨折や歯突起骨折、股関節の大腿骨頸部骨折は、骨折後の生命予後(寿命)を短くしてしまうことで有名だからです。
ご高齢で受傷されますと、動けなくなる(ロコモティブシンドローム)ために寝たきりになり、体力が失われ、と悪循環が続いてしまいます。
骨折によっては、受傷後1年の死亡率が4割となるものもあります(歯突起骨折)。

予防の重要性

骨粗しょう症は、高血圧や糖尿病と同じで、骨折するまで痛くない(「いつの間にか骨折」と呼ばれる脊椎の圧迫骨折のように、骨折しても痛くない場合もあります)のが厄介であり、場合によってはほったらかしになりがちです。
しかしながら、ひとたび骨折してしまうと大変痛い思いをしなければならないことが多く、その予防が重要です。
骨の強さは、骨の密度と骨の質で決まりますが、骨の強さの70%を骨の密度が、30%を骨の質が説明すると言われており、骨の密度(骨密度)を保つことが重要になります。

院長はこれまで高齢者骨粗しょう症の方で脊椎骨折を来たした方の診療や手術治療に数多く携わってきましたが、骨折された方の骨は当然非常に脆く、そもそも虚弱な体力の方が多く、手術器械や手術方法はあるのに患者様の骨と体が手術に耐えられない状況が少なくないことを実感しておりました(柔らかい砂の上に建物を建てる感じです)。
このような症例を数多く経験するにつれ、骨折する前になんらかの介入(治療)をし、骨折することを未然に防ぐことができなかったのか、ということを感じるようになりました。
そもそも骨折しない程度の骨の強さを持っていれば、転倒しても骨が折れる危険性は減らせられるはずです。
今回当院の院長を務めさせていただくにあたり、地域の皆様の骨の健康を維持し、骨折を未然に防ぐよう最善を尽くすことが、当院の重要な責務の一つと考えております。

当院の診療

当院では最新型の骨密度計測装置を備えており、WHOや日本の骨粗しょう症診療ガイドラインで推奨された骨密度測定方法にて、ご来院いただければその日に大腿骨・腰椎の骨密度を計測することが可能です。
また、各種骨粗しょう症に対する血液検査も施行可能にしております。
さらに現在、投与法(飲み薬・注射薬)・投与間隔(毎日・週1回・月1回・半年1回・年1回)・作用の機序(骨を作る・骨の吸収を抑える)の違いによって、骨粗しょう症に対するいろいろな種類のお薬が使用できるようになっております。
患者様の骨密度の状態や、ライフスタイルに合わせた、最適な治療をご提案させて頂きますので、お気軽にご相談ください。